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③ 法然上人との出会い

「親鸞聖人繪傳」専修寺関東別院 所蔵

9歳で出家した親鸞は、その後比叡山で修行をすることになります。そして20年という長い歳月にわたり、そこで厳しい修行を積むのです。しかし、ついに自力での修行に限界を感じます。悩み抜いた挙句、聖徳太子の夢のお告げに導かれ、京都東山の吉水にいた法然(ほうねん)上人のもとをたずねます。1201年、親鸞聖人が29歳の春のことでした。法然上人とは、浄土宗を開き、阿弥陀仏の本願、すなわち苦しみから逃れられない人間を救済するという約束を信じ、ひたすら南無阿弥陀仏の念仏を唱えれば、極楽浄土に往生できるという「専修念仏(せんじゅねんぶつ)」の教えを説いた有名な僧です。一筋の光もない暗闇の中をさまよい歩き続け、絶望する中、ついに法然上人と出会い、この人こそ心から求めていた先生だと気づいた時のうれしさは、私たちでも想像に難くはありません。親鸞聖人は、法然上人に出会ってから100日間、「降るにも、照るにも、いかなる大事にも」吉永へ通い続けたといいます。ここから、法然上人に弟子入りし、彼のもとで研鑽を積む日々が始まっていきます。