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②小島草庵(関東の親鸞)

1214年、常陸国に入った親鸞一家が関東で最初に暮らしたのが、小島草庵(現在の茨城県下妻市)です。ここを拠点として、関東での親鸞の布教活動が始まったのでした。草庵の北にそびえ立つのは、筑波山。標高は1000mにも満たない低い山ですが、関東平野では最も目立つ山です。その美しさから「西の富士、東の筑波」と並び称され、親鸞も登ったと伝えられています。冬の時期には「筑波おろし」が吹きすさぶ中で、きっと凍てつくような寒さをその身に感じ、家族で身を寄せ合っていたことでしょう。親鸞が42歳から44歳までの3年間を過ごした小島草庵。雄大な筑波山を日々望みながら、何を感じ、何に迷い、何を思っていたのでしょうか…。現在もなお、ここには親鸞が植えたとされる大きな銀杏の木が高らかに立っています。「稲田恋しの銀杏」と呼ばれ、枝が北に伸びているのは北(稲田)へと向かった親鸞を偲んでいるからだという逸話も残されています。さらなる布教のために小島草庵を後にした親鸞一家。関東生活でもっとも長く住んだ地である稲田へと力強い足取りで赴いていきます。