真実に出会っていけることこそ、人として生きる本当の喜びといえます。そこには、大きな感動があるからです。しかし、真実は「かたちもなくまします」と親鸞聖人がいうように、真実が真実だと見極めることは難しいものです。そこで、形をとおして形を超えた世界(真実の世界)に目覚めようとの思いで現されたのが仏像(方便法身の尊像)です。
高田派のご本尊は阿弥陀如来(阿弥陀仏)ですが、その仏像も私たちを礼拝せしめる力(仏力・仏心)そのもののかたどりであります。お仏壇では、普通、その阿弥陀如来の木像、絵像が多いようですが、仏徳への讃嘆をそのまま表現した名号「南無阿弥陀仏」の軸を掛けることもあります。そして、そのご本尊の向かって右側には十字名号「帰命尽十方无碍光如来(きみょうじんじっぽうむげこうにょらい)」または親鸞聖人立像。左側には、九字名号「南无不可思議光如来(なもふかしぎこうにょらい)」または九字十字の合幅を掛けます。なお、仏壇最上段に安置されるこれらの礼拝の対象物は本山の進納所でお受けします。たまに、位牌がご本尊の正面に置かれてあるのを見かけますが、これは間違いです。仏壇の中心はその名のごとく「仏(如来)」です。たとえ年忌法要のときでも、位牌は仏壇の中檀もしくは、前卓(まえじょく)に置きます。
仏壇は大切な教えをいただく場です。したがって、位牌のない新家(分家)でも、仏法を仰ぐ家庭ではご本尊(仏壇)を安置するようにしましょう。