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映画「親鸞 白い道」

「釣りバカ日誌」シリーズなど数多くの映画に出演し、日本映画界を牽引してきた名優・三國連太郎。彼も、親鸞を敬愛したうちの一人である。15年の歳月をかけ同名の長編小説を書き下ろし、それを自らメガホンをとって映画化した本作は、越後への流罪後の関東時代の親鸞がメインに描かれる。法然と共に念仏による浄土往生を説き、仏の前では全ての人が平等であるという教えを、苦難に耐えながらも広めようともがく若き時代の親鸞。庶民を想い、権力ある者に立ち向かい、また、夫であり、親でもある親鸞。そこには、他の人と同じように思い悩む凡夫としての姿がある。そして、理知的で沈着冷静な〈静〉的なイメージがある親鸞の、情熱的でひたむきな〈動〉的な側面が映し出される。そんな親鸞の生き様に、人が生きる上で何が大切か、苦境においていかに生きていくべきかのヒントを見いだすこともできよう。親鸞に入れ込み、ライフワークとして親鸞を追った三國がもっとも伝えたかった姿がそこにはある。親鸞のあまねく人々への愛が、そして、そんな親鸞への三國の愛が感じられる作品である。



松竹(1987年公開DVD)/ 2,800円(税抜)