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「他力本願」のほんと

みなさんもきっと一度は耳にしたことがある「他力本願」という言葉。しかし、その本当の意味をご存知でしょうか。親鸞聖人が書いた上の和讃をご覧ください。

大意は、「阿弥陀仏の慈しみの光の中で、何ものにも優れた信心、信仰心を得て私たちが溜め込んでいる邪な思い、煩悩の氷がとけて、清々しくさわやかなさとりに近づく身となれる」。世の中では、他人の力をあてにするという意味で使われる「他力本願」ですが、そもそも「他力本願」の「他力」とは、人の力ではありません。「他力」とは、阿弥陀仏のはたらきのことです。そして、「本願」とは、阿弥陀仏のすべてのものを救いたいという願いのこと。阿弥陀仏は、いつでも私たちを救いたいと願っていて、その慈しみは念仏を称える私たちにじんわりと届いている。このことを「他力本願」というのです。「他力本願」に出会うと、私たちは自らの小ささを知り、阿弥陀仏に素直な自分をさらけ出します。そして、邪な思い、怒りや憎しみ、妬みなど、煩悩の一切から解放され、悟りの境地へと至るのです。他力本願の意味、そしてその有り難さを深く教えてくれる和讃です。



【和讃とは】
仏や経典などに対してほめ讃える讃歌です。
このホームページでは親鸞聖人の書いた「三帖和讃」等を中心に紹介していきます。

※今回の和讃は「浄土高僧和讃」(作:親鸞聖人)より