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高田派の作法⑪「歓喜会(盆会)」

 
 
本山専修寺をはじめ、多くの寺院ではお盆に法会(ほうえ)を営みますが、この法会を真宗では、「歓喜会(かんぎえ)」とよびます。この「歓喜」とは、阿弥陀仏からいただいた真実信心によって救われるよろこびをあらわしています。「歓」とは、身体でよろこぶことであり、「喜」とは心でよろこぶことといわれています。つまり、「歓喜会」とは、自分が阿弥陀仏よりいただいた念仏をよりどころとして日々歩んでいる心身のよろこびからの法会です。
「お盆(盆会)」とは、本来、「盂蘭盆(うらぼん)」といい、梵語のウランバナの音写で、地獄や飢餓の世界に堕ちている者が味わわなければならない最大の苦痛をあらわします。そしてこの苦しみを受けている者のために供養するという仏事を行うことによって、そうした苦痛から離脱し、自由自在の身として救われるということを意味しています。
また「お盆」は、「盂蘭盆経」に由来しています。お釈迦様の弟子であった目蓮が神通力で亡き母を訪ねたところ、母は哀しいことに欲深い者が堕ちるという餓鬼道へ堕ちていました。驚いた目蓮はお釈迦様にその救済をお願いしたところ、「このお盆の時期に欲を捨てて修行僧にご馳走をふるまいなさい。この布施の行が純粋なら功徳は大変大きく母は必ず救われる」と諭されました。目蓮はいわれる通りの心で供養しました。すると、不思議なことに、母親はただちに餓鬼道から救われ、躍り上がり、歓喜したのでした。
この経典の故事が発端となって、我が国の「お盆」行事も「盆踊り」の習俗も始まったといわれています。